美苦尼・玄娘〜恥辱の西遊記 第37話

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地面から突き立った幹は隆としており、枝は遥か高い場所から始まり、葉は織り重なって空を覆っている。
その葉陰から老人の姿が現れ、太い幹をスルスルと降りてきた。

遠目に見ていると、樹の前の広い場所に座り込み、禅を組む様子だ。

「お師匠様、あちらが烏巣(うそう)禅師です」

玄娘は真っ直ぐに馬を進めた。
烏巣禅師は、玄娘たちが登ってきた方に背を向けて座っている。
玄娘は馬を降りて禅師の前に回り込み、ひれ伏した。

「禅師様、ご修行中、突然失礼仕ります。私は仏の教えを求めて東唐を出で、西天に向かう比丘尼でございます。どうぞ、西への道行きのお教えくださいませ」

しばし、禅師の返答はなかった。
返答がないばかりか、玄娘が顔を伏せていると、目の前に人が座っているという気配すら感じられない。
玄娘はだんだん、誰もいない虚空に平伏しているような気がしてきた。
悟空が短気を起して口を挟んでくる。

「おいおい、お坊さんよぉ。人が話し掛けてんだ。修行中だからって礼を欠くようじゃ、修行が浅いってもんだぜ」

烏巣禅師はやせ細った体躯の鋭い感じの老人であった。切れ長の目を薄く開く。

「・・・面をあげて見せるがよい」

玄娘は身体を起した。鋭い視線が、玄娘の身体を舐め回すのを感じる。
玄娘は不安を覚えた。

烏巣禅師は、口の端でニタリと笑い、呟いた。
「色情にとらわれとるな」

ドキっと心臓が硬直する。
突然身体を縛っていたものがフッと解けて、軽くなったような感じがした。
衝撃が襲う。支えを失った身体がガクンと一段下がったような衝撃だった。
バランスを失って、手を前につく。地面を掴むはずだった。

ところが、肘から下が、なかった。
地面につくはずの手がないのである。

上体が思いのほか前のめりになり、四つん這いのような格好になった。
そして玄娘は、更なる驚愕に襲われる事になる。
衣を着ている身体から、裸の身体が突き抜けてしまっていたのだ。
衣を着た身体はちゃんと座ったままで、そこから衣を着ていない玄娘の上半身が突き出た格好だ。
大きな乳房が重たく垂れ下がっているのが見えた。

脚の方にも違和感があった。
地面についているはずの脛(すね)に感覚がなく、代わって太股の裏に地面の感触を感じた。
脚の方も、膝から下がなくなったのだ。

何事が起こったのかと視線を上げ、対面に座ってジッと自分の方を見詰める烏巣禅師と目が合った。

「いやっ!」

一度に襲ってきた混乱を一瞬忘れて、烏巣禅師の視線から逃れようと玄娘は肘までしかない腕を交差させ胸をかくし、身を伏せた。

正座した姿勢で固まった自分の太股の中に身を隠したような格好だ。

胸を隠そうとしても肘までしかない腕では、大きな胸は完全には隠し得ない。
ただ両脇から寄せて谷間の切れ込みを深くするばかりなのだが、元の身体の膝の中に隠れ込んでいるから、少なくとも烏巣禅師や悟空たちの視線からは見えていないはずだった。

「驚く事はない。ワシがおぬしの色情を呼び出したのだ。おぬしの今のその姿、その姿こそおぬしの色情の姿よ。慰めようにも慰める手がなく、逃げようにも逃げる足がない」

烏巣禅師が立ち上がる。
禅師も、座っている身体から突き抜けて裸体を晒していた。
股間から屹立した男根が隆(りゅう)と聳(そび)え立っていた。

「ひっ」

喉の奥で悲鳴が短く切れた。
なぜか、悟空の如意棒が一瞬チラついた。
烏巣禅師が、己の如意棒を揺らして近付いてくる。
恐れに玄娘の肩が震え、羞恥に顔が火照る。
いや、火照っているのは顔だけではなかった。
全身が熱い。
烏巣禅師の大きな禍々(まがまが)しいモノが近付くにつれ、腰の奥で燃え盛るものが、ずううん、ずううんと重みを増していく。

腰の奥で何かが生じているのは否定しようがなかった。

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