美苦尼・玄娘〜恥辱の西遊記 第112話

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玄娘は思い切って前に踏み出した。
男の肉の凶器を留める事が出来ないのであれば、次は一気に引き抜いて逃げるのがもっとも有効で当然の戦術だ。
だが、王の両手は相変わらず玄娘の裾を掴んでいる。

いきなり玄娘が前進し出したので、王の身体が引っ張られて前につんのめった。

「あうっ・・・ん、やだぁ・・・はぁぁ・・ン」

またもズルズルと玄娘の女を擦りたてて、肉竿が目の前に頭を突き出す。
己の恥骨と男の生殖器の間に挟まれた陰核が、押し潰されるように薙ぎ倒されて、ずきずきと疼く強さを強め、よりはっきりと自己主張し出しているような気がした。

王の太った腹が、玄娘の尻肉にペタンと密着する。

危機は何とか回避された。
だが、ヌルヌルした男の汗が付着し、更に腹の肉で塗り広げられる、その気持ちの悪さは堪らなかった。
だがそれでも、気持ち悪いと思いながらでも、王が後ろに引いていくと、王のその動きに追いすがっていくしかない。

「おうおう、その長いチンポがよっぽど気に入ったと見える。御仏に仕える身などと気取りおってから、いざ男のチンポを見せられたら、自ら挟んで離さぬとはのう。何と淫乱な仏弟子もいた事よ」

「ち、ちが、うくぅ・・・」

椅子に座ってその様子を眺める黄風大王が殊更にいやらしい言葉で揶揄するのを、玄娘は眦(まなじり)に涙を浮かべて抗議するが、肉の鋸(のこぎり)に肉溝を引かれるその刺激に、抗議の言葉も雲霞の如く曖昧に立ち消える。
ガクガクと脚を震わせながら、必死に耐えて後退(あとじさ)りし、そして紐がぴんと張ってもうこれ以上後退できないという限界まできて、いよいよ太股の間を男根の先が抜け出てしまいそうになると、玄娘はまた前に踏み出して、裾を掴んでいる王を引っ張ろうとした。

だが、さすがに二回は通用しなかった。
ただでさえ、股間を中心に身体中が痺れて力が入らないのに、相手にグッと踏み止まられては、玄娘の力では王のバランスを崩させるほどの反動を生み出す事も出来ない。

野太い亀頭の圧迫が、膣口にピタリとあてがわれた。

「ひいぃぃっ!いやぁぁ!」

王が腰を押し進めようと力を込める。
玄娘はその寸前で、間一髪、尻を下に逃がした。
剥き出しにされた蟻の門渡りを亀頭がずるりと滑り、肛門の粘膜を擦り上げる。

「ぁ・・・」

玄娘はその瞬間、自分でも気付かないほど小さな声で喘ぎを漏らしてしまっていた。
内股に戦慄(わなな)きが走る。

「くそっ」

王は苛立たしげに舌打ちを打って、女の尻肉の上に乗った男根の先を引かせた。
尻肉の溝に沿ってそろそろと降ろそうとするが、玄娘が嫌がって右に左に腰を動かすので、なかなかうまくいかない。
忿懣が募るにつれ、王の動作もだんだんと、焦りの色を濃くしてきて、粗雑で乱暴なものになっていった。

右の尻肉を押し上げたと思えば、今度は左の内股に突き刺さる。

しかしじっとり汗を浮かび上がらせた柔肉に、男の肉欲の切っ先を無作為に押し当てられる感覚は、玄娘の身体に何とも言えない淫らな焦燥感を呼び起こした。

羞恥の周辺を弄くり回されればそうされるだけ、その中心が熱化して疼くようだ。
いつとはなしに玄娘は、またも烏巣禅師(うそうぜんじ)に犯された時の事思い起こしていた。
今まさに押し当てられているこの忌まわしい物が、玄娘自身の肉欲の中心にずっぽりと嵌まりこんでいる、恥辱にまみれた光景だ。

だがしかし、そのおぞましい記憶ですらも、この男の本物の肉棒の前には及びもつかない。
こんなモノに貫かれたら、と想像すると、否、想像しようとするだけで、下半身がズンと重たくなり、その気だるい心地好さに取り憑かれてしまいそうな誘惑と、奈落に落ち込むような恐怖を感じた。

「くそっ、この、大人しく、しないか、このっ」

玄娘に対して下品な慇懃さで接していた王の口調が、家畜を扱うような乱暴な物言いに変わっている。

亀頭の凶悪な圧力が右往左往した末に、尻肉の谷間の中心の、菊の形をした窪みに落ち込んだ。

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