美苦尼・玄娘〜恥辱の西遊記 第106話

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玄娘は昨夜の狂態を思い出し、ゾッとした。
恥ずかしさに身体が燃え、自己嫌悪に力が抜ける。
何であんな事をしてしまったのか。
今となっては自分で自分の心がわからなかった。

あんな、卑劣でいやらしい、妖怪におもねって自分たちを差し出すような、あんなクズのような男に処女を散らされてしまうのか。
あんな、グウタラな、女たちばかり働かして自分は昼間から寝ているような、しかも、起きている時は起きている時で女と交合する事しか考えていないような、汚らわしい男の妻にされるというのか。

男に対する嫌悪を自ら掻き立てようとするように、玄娘は敢えて心の中に呟き続けた。
だが、打ち消しても打ち消しても脳裏に浮かんでくるのは、痴態に耽った昨夜の、あの忌まわしいイメージであった。
それは王の長い肉棒が、玄娘の割り裂かれた股間に伸びてきて、ズブズブと侵入してくる姿だ。
今思えばなんというおぞましい図を想像していたのであろうか。

清浄な尼僧の姿に欲情し、人と喋っている最中にでも平気で女に淫らな行為を強いる、王は、まさに唾棄すべきというに相応しい男であった。

やはりあの時、悟空を部屋に誘い込んでいれば、と玄娘は激しく後悔した。
一人で慰めるような破廉恥な事までしていて、不邪淫の戒も律もあったものではない。
それでいて、悟空を部屋に入れる事が出来なかったのは、仏弟子がどうのとかいう問題ではなくて、単に自分の臆病さからだけではないか。

その臆病さのせいで、今や処女を散らす相手を、目の前の妖怪か、それとも下衆な王か、強引に選ばせられようとしている。
どちらがマシかと言われても、マシとかそういう事で結論を出せる問題ではない。
気持ちの悪い舌のような大王の男根が、ノタクタノタクタと玄娘の顔をベトベトに汚しながら這い回るのに耐えている内に、結論を出せぬままダラダラと時間ばかりが過ぎていき、ついに伝令の者が王の到着を告げにきてしまった。

「ああ・・・」

玄娘が憂い深げに眉をたわめて溜息を漏らす。黄風大王は玄娘から離れ、元の王座に座った。

「お主の伴侶となる者は決まったわ。わが下僕の妻となるがよい」

黄風大王が宣言するのと、石の扉が開くのがほとんど同時だった。

でっぷり太った王が誰とも目を合わせぬよう視線を下に向け、ふうふう言いながら入ってくる。
誰とも目を合わせぬのは、化け物どもの恐ろしい姿を見ないようにするためであった。
また、宮殿内の僅かな距離をふうふう言いながら歩いてくるのは、普段からたったそれだけの運動もしていないからであった。

さすがに妖怪の巣窟に連れてこられては、自慢の長竿も縮こまってしまっているらしい。
ズボンこそはいて穿いていなかったが、股間の物は上着の裾に隠れて見えなかった。

玄娘が蹲(うずくま)るそのすぐ側に王が膝をつき、拱手叩頭して

「お呼びとの事でしたが」

と、いかにも田舎者らしい野暮ったさで言う。

玄娘はぞっとして顔を背け、嫌悪も露(あらわ)に膝でいざりながら王から離れた。

「おうよ。そちのおかげで素晴らしい比丘尼を手に入れる事が出来たぞ。そちは知らぬであろうが、この女は、金蝉長老の転生した姿よ。ガキを孕めば、そのガキは、不老長寿どころか不死の練丹ともなろう。まったくこの度はよくぞ知らせてくれた。褒美にこの女と娶(めあ)わせてやろうと思うが、どうじゃ?」

「ほ、本当でございますか!」

思わぬ喜びに、王は思わず顔を上げた。
後手に拘束されて何一つ隠す手立てとてない玄娘のあられもない姿が視界に飛び込んでくる。
見ればかの尼僧は、衣服はボロボロにされ、露(あらわ)にされた太股も眩しく、胸元は肌蹴られて美乳が無残に露出されているのだった。
大人しかった王の股間にも、ムクリと力が入る。

「い、いいのですか、大王様。こんな極上の尼さんを、こんな奴にくれてやるなどもったいない」

壁際に並んでいた山犬や鷹の化け物の側近が、驚き慌てて口を挟む。
彼らは玄娘が、男根を押し付けられながら「これを口に含むかそれとも王に嫁(か)するか」と迫られていたのを、同じ部屋にいてニヤニヤ見てはいたが、それはこの美しい尼僧を甚振るために、大王が単に戯れているに過ぎないと考え、誰もそれを本気だとは思っていなかったのだ。

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