美苦尼・玄娘〜恥辱の西遊記 第45話
一歩進めば一旦は離れるが、禅師が追いすがってくるので次の一歩では、より深くに侵入してくるのだ。
一歩逃げる。と。
ズリュッ
また一歩前に進む。
ズリュリュッ
逃げるごとに、指よりはるかに熱いモノが、少しづつ膣奥を蹂躙してくる。
「あひぃんっ!」
その時、乳輪を弄っていた八戒の指先が、またも乳首に襲いかかった。
神経がビクンビクンと反応して逃げ出すどころではなくなり、その場に立ち止まって身体をくねらせ、刺激に耐えた。
じゅりゅ、りゅ、りゅうう
「ああ・・・」
逃げられなくなった玄娘の膣奥に、烏巣禅師の男根がついに根元まで埋まってしまった。
頭を垂れ、玄娘は絶望の呟きを漏らす。
その感触は綿のように頼りないが、鋼のような悪意の芯が、確かに膣奥の子宮を突き上げているのを感じるのだ。
玄娘の意思を離れて化学反応のようにギュウっと締め付けようとする膣の蠕動運動は、その頼りない感触に、言葉にし得ない不満を訴えメソメソとすすり泣くようだ。
玄娘の理性はその声を必死で打ち消そうと金切り声を上げて辺りを走り回る・・・。
玄娘は混乱の中で頭を打ち振っていた。
「切ないであろう、もどかしいであろう。玄娘よ、お主に釈迦の教えの妙意、摩訶般若波羅密多心経を授けよう。だがな、玄娘よ。その前にお主は知らねばならぬ。実は、あらゆる生き物の中で僧がもっとも釈迦の教えから遠いところにいるという事をな。なぜかわかるか、玄娘よ。お主たちインテリは何かというと抽象論に陥りよる。抽象とはな、玄娘よ。お主の中の色情たる今のお主の姿だ。そのもどかしさ切なさが抽象の本性さ。肉体を離れた魂などというものは存在せぬ。抽象の中に本性などというものがない事、その身をもってたっぷりと思い知れ!」
烏巣禅師は語ると同時に抽送を始めた。
「ぁはんん・・・」
膣内に圧迫される感覚はなく、そうではなくて、むりやり拡張された膣内を、肉茎が触れないように出入りしているみたいだった。
高々と上げた己の尻の方から、陰裂に男のモノが出入りする様が、後ろにいる悟空や八戒から丸見えのような感じがする。
そんなはずはないのだが、それと知っているからといってその恥ずかしい錯覚から逃れ得るわけでもないのだ。
玄娘にとってはむしろ、挿入された事よりそっちの方が、人に言えない恥ずかしい感覚をより強く掻き立てられた。
烏巣禅師から加えられるそんな頼りない感覚とは打って変わって、乳房を弄(まさぐ)る八戒の手の動きは、次第にエスカレートしていくようだった。
指先に浮かんだ油汗を唾液のように使って、乳房全体にヌルヌルを塗り付ける。
そうかと思えば、手の平の窪みに乳首を捉(とら)えて、乳房全体を揉み潰すように激しく揉む。
「はうぅ・・うあっ・・・はぁ、ぁぁ」
玄娘の色情が鳴き声を上げ、亡骸の肉体が、ピクン、ピクン、と跳ねる。
しかし興奮してきた八戒には、それでも物足りなくなってきたのだった。
玄娘の襟から出した手を、ついに下半身にまで這わせ始めた。
とはいっても、帯を解くわけにはいかない。
ズボン様になっている履物の上から玄娘の股間を弄(まさぐ)った。
そこは、今しもゆっくりとした抽送で、烏巣禅師が責め入っている場所である。
内側がむず痒くなりそうなもどかしい攻撃に、危うくも腰を振りそうになっている玄娘に、八戒の淫魔のような指先が襲い掛かる。
「うくぅぅっ!」
また、玄娘の身体がビクンと反応した。