美苦尼・玄娘〜恥辱の西遊記 第14話

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「やいやい、こらこの豚野郎!よくもてめぇ、好き勝手してくれやがったな」
「あ、お前は匹馬温」
「何だと!もういっぺんいって見やがれ。その下品な息子殿を引っこ抜いて父無し子にしてくれるぞ。そしたらてめぇ、元帥どころか天宮に仕える日が戻ってきても、宦官にしかなれねえぞ」

豚は必至になって起き上がろうとするが、頭を押さえつけられているので起き上がれない。
ともかく、命だけは助けてもらおうと、泣き声を上げた。

「す、すいません。どうかどうか、勘弁してください。斉天大聖様のご高名はかねてからきいておりまして、以前から敬愛しておりましたぁ」
「てめぇ、いいかげんな野郎だな。斉天大聖なんざ知らねぇっつてたじゃねぇか」
「いや、あれはその、プレイっていうか、夫婦の営みのちょっとしたスパイスみたいなもんでして」
「誰が夫婦だ。言ってる事がメチャクチャじゃねえか。ともかく、今すぐにでも膾(なます)に切り刻んでお仲間の豚にでも共食いさせてやりたいところだが、お師匠様がうるせぇからとりあえずは命は預けといてやる。縄で縛るから、さっさと服を着やがれ」

悟空が頭から足をどけてやると、猪剛鬣(ちょ・ごうりょう)はノロノロと立ち上がって、今はすっかり萎(しお)れてしまったそのモノを、ズボンに仕舞い込んだ。

悟空は入り口に立てかけてあったマグワを手に取り、ブンと振って一束の丈夫な縄にした。

「ところでその、斉天大聖様のお師匠様ってのは、一体どちらの旦那さんなんですかね」
両腕を後ろに縛られて縄で引っ張られ、住み慣れた離れの棟を出たところで猪剛鬣(ちょ・ごうりょう)が聞いた。

そこは高老荘という大屋敷内の庭だ。庭を表の方に突っ切ると、高老人の住いする棟がある。

「てめぇは聞いた事はないだろうが、玄娘という唐都の尼さんだよ。若いが金蝉長老の生まれ変わりというだけあって徳が高くてな、その上純真華麗、いずれ天竺について三蔵経を受け取ったあかつきには、菩薩になる事間違いなしってぇ、お偉いお方だ。本来ならてめぇみたいな穢れた豚なんか、お目に入れてもらう事だって、許されねぇんだぞ」
「何だって。兄貴、その玄娘様ってのは今はどちらにおいでになさってるんだ」
「勝手に兄貴にするんじゃねぇ。今からお師匠様のところに連れて行って、てめぇを膾に切り刻むお許しをもらおうってぇ算段だ」
「ちょっと待っておくんなさい。実はワシは、西天へ経を取りにいくお方の共をせよ、と観世音菩薩から言われてて、ここでずっとお待ちしておったんだ。兄貴が先にそのお方の共をなされてたんなら、ワシはやっぱり兄貴の弟分という事になる」

「デタラメこいてんじゃねぇ。仮にも菩薩ともあろう方がてめぇみたいな穢れた心根をも看破できず、そんな事言うなんて、あるわけねぇじゃねぇか。そんな事言うなら、今ここで四つに切って肉屋に売ってくれるぞ」
「そ、そんな事したら、観世音菩薩の御心に背く事になるぞ。いいのか」
「ふん。どっちにしてもお師匠様にそんな見え透いた嘘、言ってんじゃねぇぞ。あの方は疑うとか、あんまり知らないお人だからな」
「嘘じゃねぇよ。そんなに言うなら観世音菩薩に聞いたらいいじゃないか」

そう言われると、悟空も本当かも知れない、と思えてくる。本当だとしたら、かなり憂鬱だ。

 

悟空が、後ろ手に縛った化け物の耳を掴んで、屋敷前の中庭に連れてくると、高老人はじめ家人のものが嬉しそうに迎えに出てきた。

玄娘比丘尼は中庭に面した座敷に座っていた。
その手前の地べたに化け物を座らせる。
猪剛鬣(ちょ・ごうりょう)は両手をついて頭を下げながら、玄娘を盗み見た。

切れ長の目に小さな口、胸は黄色い大きな袈裟を着ているのでわかりにくいが、それでも多少なりとも盛り上がりがわかるくらいだから、そんなに小さくはないだろう。
身体も顔も全体に小作りで、「繊細な美しい人形」といった風情だ。旅中にある為か、しばらく剃っていなくて伸びてきた短髪が、黄色い毘虜帽(びるぼう)からはみ出ている。

この女を犯したら、さぞや背徳の美味が味わえるだろう、と想像すると、密かに股間のこわばってくるのが感じられた。

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